転倒は骨折や寝たきりの原因となります。
実際、介護が必要になった原因の3位が骨折・転倒です(厚生労働省「2022年国民健康栄養調査」)。
転倒予防を心がけましょう。
自宅は転倒しやすい場所。特に注意
東京消防庁によると、2024年の救急搬送の約85%が転倒によるもので、しかも年齢が高くなるほどその割合は高くなります。転倒で負うケガは軽いものばかりではなく、約4割が入院の必要がある中等度です。興味深いのが転倒の発生場所です。半分以上が「住宅等居住場所」で、さらに詳細に分析してみると、「居室・寝室」が最も多く、次に「玄関・勝手口等」「廊下・縁側・通路」と続いています。
このデータから、転倒の原因として2つのことが考えられます。1つは姿勢の変化や、筋力や柔軟性の衰え、バランス力の低下、視覚の低下といった身体的要因です。もう1つは、段差や滑りやすい場所といった環境的要因です。
身体的要因に対しては、正しい姿勢を心がける、片足立ちなどでバランス力を鍛える、スクワットなどで筋力を高めるなどが有効です。
室内、廊下、階段に不要なものを置かず、整理整頓
身体的要因の対処には時間がかかったり限度がありますが、環境的要因は比較的に改善しやすいです。例えば、床や廊下、階段の上などに物が置いてあると足をひっかけやすくなります。できるだけ物を置かないようにしましょう。電気コード類が床のあちこちにあるのも危険です。壁に沿わせたり部屋の奥にまとめるなどして整理しましょう。
敷居の数センチ程度の段差でも、高齢になると筋力の低下や視力の変化などでつまずきやすくなります。ホームセンターや通販などで購入できる、敷居の段差をなくすためのスロープの設置を検討しましょう。
じゅうたんやマットの端がめくれていると、足をひっかける恐れがあります。テープなどでしっかり端を固定してください。
意外に見落としがちなのがスリッパです。スリッパが脱げかけて転倒するケースが多くみられます。スリッパの奥までしっかり足を入れて歩くことを意識しましょう。
薬の副作用で転倒の危険が増すことも
薬の影響で眠気やふらつきが生じ、転倒することがあります。特に注意が必要なのが睡眠薬、降圧薬、抗不安薬、痛み止めの一部です。また、多くの薬(5~6種類以上)を服用している人も注意が必要です。心配な人は医師や薬剤師に相談して下さい。