3月1日~8日は「女性の健康習慣」です。
女性の体と心の健康は女性ホルモンと深く関わり、ライフステージによって発症しやすい病気が異なります。
思春期は生理不順や月経困難症などが起こりやすい
女性ホルモンの分泌量は7~8歳頃から徐々に増え始め、10代前半に初潮を迎えます。
その後も分泌量が増え続け、女性らしい体つきに変化していきます。ただし、月経が来るようになっても子宮はまだ十分に発育していないため、月経周期が一定しなかったり(生理不順)、ひどい月経痛に悩まされたりすること(月経困難症)があります。月経が三か月以上空いたり、月経痛のひどい時は産婦人科を受診しましょう。
若い女性で特に避けなければならないのが、無理なダイエットです。女性ホルモンのバランスが崩れ、無月経や貧血、不妊の原因になる場合があります。
成熟期は子宮筋腫などの婦人科系疾患に注意
20~30代にかけては女性ホルモンの分泌が盛んになり、月経周期も比較的安定しています。体力や気力が充実するのもこの時期です。一方で子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科系の病気が増えてきます。
子宮筋腫は子宮の筋肉に硬いこぶのような腫瘍ができる病気です。ほとんどは良性で命に危険が及ぶことがありません。しかし筋腫が大きくなると、過多月経や貧血などの症状が起こります。症状が強い場合は受診してください。
子宮内膜症は子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所にできる病気で鎮痛剤が効かないほどの強い月経痛が起こります。不妊の原因となることもあるので、月経痛が年々強くなる時は早めの受診が勧められます。
更年期以降は女性ホルモンの減少がもたらす変調が起きやすい
40台に入ると女性ホルモンが減り始め、40代半ばになるとガクンと減少します。それに伴い、のぼせや動悸、頭痛、不眠といった不快な症状が現れやすくなります。症状がつらいときは我慢せずに婦人科を受診し、ホルモン補充療法や漢方薬の治療を受けましょう。
閉経する50代半ば以降で気をつけたいのが生活習慣病です。女性ホルモンは血管を拡張する働きがあり、血圧や血糖、脂質を調整しています。更年期以降になると女性ホルモンが激減するため、高血圧や高血糖、脂質異常症のリスクが高まります。健診などで異常値を指摘されたら、早めに医療機関で指導・治療を受けてください。
骨がスカスカになり、もろくなるなる骨粗鬆症にも注意が必要です。治療や予防にはカルシウムやビタミンDを積極的に摂取したり、適度な運動を行ったりすることが有効です。